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2019.01.21LIDET

恒例の鈴木健氏による大会見所後編
1.30 越中詩郎デビュー40th記念大会「侍祭り」
⑤反体制派の先人たちと遠藤、芦野、最上の邂逅
越中と清宮の激突、そして新メンバーXとは!?

恒例となった鈴木健氏による大会見どころ解説後編!!

「反体制派の先人たちと遠藤、芦野、最上の邂逅
越中と清宮の激突、そして新メンバーXとは!?」

第5試合=メインイベント HEISEI SAMURAI SPIRITS(60分1本勝負)
<平成維震軍>越中詩郎&AKIRA&青柳政司&齋藤彰俊&X with ザ・グレート・カブキ
vs
橋本大地&遠藤哲哉&芦野祥太郎&最上九&清宮海斗<HEISEI GENERATIONS>

昨年9月に還暦を迎えたことを話すと、誰もが「信じられない」と目を丸くする。
それほど越中詩郎の動きは衰えるところを知らず、
得意のヒップアタックの打点は落ちないどころか、どんな試合でも喝采をひとりかっさらっていく。

ノスタルジーではなく、今なお“現在形”のプロレスラー・越中の40周年記念試合には
過去と今と、そして未来がぎゅっと詰まった顔ぶれが揃った。
平成維震軍は現有によるベストメンバーが集結。
2017年12月にリングを退いたザ・グレート・カブキもセコンドとして駆けつける。

そこへ今回、平成維震軍の新メンバーが加入。越中いわく、自身の40周年に合わせて起用したのではなく「おっ、こいつだ」と直感が働き以前から目をつけていたのだという。平成から新年号に時代が変わっても、平成維震軍は平成維新軍の名を貫いていく。その中で、新時代の維震を体現し、さらには「プロレス界を変えられるぐらいのうねりを作れるような男」と見込んで声をかけた。

メンバー以外で平成維震軍のカラーを前面に出す選手は当然ながら見当たらない。
その中で、越中はこの“X”に自分たちと通じるものを見いだしたことになる。
AKIRAが維震軍へ最後に加入したのが1996年だから
(その後、1998年に天龍源一郎が助っ人という形でメンバーに)じつに23年ぶりの新戦力。

思えば9人の志士のうち、5人は引退もしくは定期的にリングへ上がっていない。
それを踏まえると新しい血の導入は必然であり、
越中が口にした「これからの平成維震軍」の要たり得る存在になるのではないか。

鉄の連係と絶妙な呼吸で闘いのリズムを構築する維震軍の中に入っても、
それをこなせる人材だと越中も胸を張る。
新メンバーが登場した瞬間の場内のリアクションは、ある意味試合以上に注目だ。

さて、対するは全員が平成生まれであり、いずれも自身が所属する団体の主戦級の男たち。
こちらも、この5人が一堂に会しチームを結成するのは最初で最後と思われる。
10年後にこの試合を振り返ると「あの時、見られてよかった」と熟成された価値を味わうことができるはずだ。

大日本プロレスの橋本大地は父である“破壊王”橋本真也の幻影から脱却し、
一プロレスラーとしての個性を確立しつつある。
神谷英慶とのチーム「大神」ではBJW認定タッグ王座を奪取しただけでなく、
2017年に大日本のタッグリーグ戦「最侠タッグリーグ」で優勝したあと、
全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」でも準優勝を果たした。

シングルプレイヤーとしてもBJW認定世界ストロングヘビー級王座を獲得。
毎日のように関本大介、岡林裕二といったヘビー級の破壊力抜群の技を食らうことで、肉体の耐久力もついている。
90年代の新日本プロレスでは、越中が橋本真也の爆殺キックを
正面から受け止めることでプロレスラーの凄みを体現していた。
あれから時が流れ、今度はその息子の蹴りを受けきった上でやり返してくる。
そこで大地が大日本のストロングBJらしさである頑丈さをアピールするところも見たいものだ。

DDTの反体制ユニット「DAMNATION」に属する遠藤哲哉はデビュー当時、
新体操出身という下地を生かしハイフライヤーとして頭角を現す。
竹下幸之介とのコンビではあのゴールデン☆ラヴァーズ(飯伏幸太&ケニー・オメガ)に勝ち
KO-Dタッグ王座を奪取するなど順調に成長を遂げていったが、
竹下と組む限りはその上にはいけないと悟り反対側のコーナーへ回った。

DAMNATIONのカリスマ・佐々木大輔の影響もありファイトスタイルは飛び技中心から
小賢しさやラフ殺法をまじえたメリハリのある幅広いものへと変貌。
その中で驚異的な身体能力に裏づけされた技も繰り出すのだから、闘う側としては的を絞りづらい。
2017年4月29日には竹下が保持するKO-D無差別級王座に挑戦し、
後楽園ホールのメインで60分フルタイム動き続けながら、控室では涼しい顔をしていたほどのスタミナを持つ。

5人の中でもっとも年上(29歳)となる芦野祥太郎は
竹田誠志、フジタ“Jr”ハヤトらを輩出したレスリングの名門・自由ヶ丘学園から日体大へ進み、
馳浩の紹介でWRESTLE-1へ入団。
キャリア2年1ヵ月で団体最高峰のタイトルであるWRESTLE-1チャンピオンシップ王座を奪取し
1年間の長期政権を築いた。今年の1・5後楽園で#STRONGHEARTSのT-Hawkに敗れベルトを失ったものの、
本格派の匂いをプンプン発散させるたたずまいは初めて見た観客の目も惹きつけるはず。

レスリング仕込みのスープレックスと、
カート・アングルにインスパイアされたアンクルロックが得意技であり、
先輩を食うことが当たり前の環境で実績を上げてきただけに
ベテラン揃いの維震軍に対してもなんの遠慮もなく足首をひねりにかかるだろう。
そこはWRESTLE-1に在籍経験のあるAKIRAが対策を練ってくるはずだが、
外に出て自分の名前と自身の所属団体の名を広めたいという野心に一番満ちているのは5人の中で芦野と思われ、
歴戦のツワモノである維震軍いえども警戒する必要がある。

遠藤同様、芦野も反体制ユニットであるEnfant Terribleをけん引しているが、
KAIENTAI DOJOの最上九も凶月(まがつき)というヒール軍団で暴れている。
出身地である山形県の最上川と「最上級を目指す」の意から
このリングネームを名乗り、いかつい顔つきでニラみを効かす。
凶月入りする前は同期である吉田綾斗とのコンビでキャリア1年にしてSTRONGEST-K TAG王座を獲得。
GO浅川(現・浅川紫悠)、ダイナソー拓真の同期4人によるユニット「NEX4」が
発展的解散を迎えたあと、選択したのは反体制ユニット・凶月だった。

他の3人とは違う独自の方向性を求めた結果、たどり着いたのはデスマッチ。
大日本にも参戦し、昨秋の「最侠タッグリーグ」では高橋匡哉とのコンビでエントリーされ
有刺鉄線、蛍光灯、画鋲などの地獄の中で水を得た魚のように暴れた。

思えば、平成維震軍も新日本本隊に反旗を翻した反選手会同盟からスタートしたユニットだった。
そこまで意図したかは定かでないが、HEISEI GENERATIONSの5人中3人が
反体制ユニットを自分の居場所としているところは興味深い。
遠藤、芦野、最上が“反逆の先人たち”と遭遇することで何を吸収するかも、この先へとつながるポイントだ。

そうした中、プロレスリング・ノアの若きGHCヘビー級王者・清宮海斗(22歳)は全身これ正統派。
肉体、マスク、運動能力、応援したくなる爽やかさにいたるまで本流エースの条件を満たした男だ。
「グローバル・リーグ2018」で並みいる先輩たちを押しのけて初優勝を果たし、
その勢いで杉浦貴からノアの至宝を史上最年少奪取(キャリア3年も最短)。
今年に入り1・6後楽園では拳王の挑戦を退け、チャンピオンとして三沢光晴さんのデビュー戦の相手と向かい合う。

そうした歴史的背景や未来への指針を考えると、
この10人タッグマッチで重要な意味を持つのは越中と清宮の絡みなのかもしれない。
エメラルドグリーンのタイツに身を包んだ清宮のエルボーを受けた瞬間、侍の脳裏に走る情景はどんなものなのか。

新メンバーを加えた最新ヴァージョンの平成維震軍揃い踏みのシーンも、
そしてこれからのプロレス界を担っていく5人が横一列に並んだシーンもとてつもない高揚感が発生するはず。
平成も残りわずかとなったこのタイミングで実現する侍祭りは、単なる祭りで終わると思えない。
果たして越中は、5人全員に狙われる立場の中でそれらを上回る存在感を見せつけることができるか――。

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